【経営者必見】労使紛争の回避又は労使紛争に勝つために重要な労務書式31選

「【経営者必見】法令上作成義務のある労務書式12選」では、企業が人を雇用するうえで必要になる労働・雇用関連書面を紹介いたしました。上記記事をご覧になっていない経営者様はこちらもご確認ください。

しかしこれら以外にも労働審判・紛争防止の観点から必要になる書面が多くございます。労働審判・紛争から企業を守るために必要な準備になりますので経営者様は必ずご確認ください。

記事内ではその一部を公開しております。31選すべてをご覧になりたい方はこちらから無料ダウンロードいただけます。

また企業が人を雇用するうえで追加で揃えておきたい労働・雇用関連書面については以下をご覧ください。
「【経営者必見】一定の要件を充足する場合に作成義務が発生する労務書式61選」

表題 概要 根拠法令
就業規則に加えて作成しておくと良い規程・書面 嘱託社員規程・高年齢者継続雇用に関する社内規程 定年制度に関しては、①定年年齢を65歳以上に引き上げること、②60歳以上65歳未満を定年年齢としつつ継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者を定年後も引き続いて雇用する制度)を導入すること、③定年制度を廃止すること、のいずれかの措置をとる必要があります。
現状は②の継続雇用制度を導入している場合が多くあり、その場合、あらかじめ継続雇用後の労働条件等を定めた社内規程を定めておくことで、労働条件に関する認識の齟齬を原因とするトラブルを回避することが可能となるため、作成しておくと良い規程になります。
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第8条、第9条
テレワーク勤務規程 テレワークの実施による費用負担、労働時間管理、業務実施の方法等をあらかじめ定めておくことで、導入後のトラブルを回避することが可能となるため、作成しておくと良い規程になります。
変更同意書 労働条件を労働者にとって不利な内容に変更(不利益変更)する場合の方法は、①労働者の個別同意を取得する、②就業規則によって変更する、③労働協約を締結する、の3種類があります。このうち、③は労働組合との間で労働協約を締結する必要があるため、労働組合がない会社では利用することができません。②は、「変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものである」ことという要件を充足しなければ、変更後の内容は無効と判断されるリスクがあります。
他方で、①の場合、上記②の要件を充足する必要はなく、労働者の自由な意思に基づくものであると認められるに足りる合理的な理由が客観的に存在すれば、不利益変更は有効とされます。
また、①の方法で不利益変更をした場合でも、後に労働者が個別同意は会社に強制された者だという主張をされるリスクがあります。
そこで、労働者が不利益変更に対して個別同意をしたこと、労働者の当該個別同意が自由な意思に基づくものであったことを明確にするために、作成しておくと良い書面になります。
労働契約法第8条






入社時に取得しておくと良い書面 秘密保持誓約書(競業避止含む) 入社後労働者が会社の秘密情報を漏えいさせてしまうというリスクがあります。また、労働者が会社と競合する事業を行ったりするというリスクがあります。
そこで、入社段階で包括的かつ明確に秘密保持義務・競業避止義務を課すために、作成しておくと良い書面になります。
誓約書(服務規律、SNS利用含む) 入社後に労働者が服務規律を違反した場合、当該労働者が就業規則に当該服務規律が明記されていると認識していなかった、などという主張をする場合があります。このような主張を防ぐために、服務規律のうち重要なものをピックアップし、当該内容を明確に認識させ、遵守することを誓約させることで、服務規律違反による指導や懲戒処分の有効性を担保するために、作成しておくと良い書面になります。
貸与物利用に関する誓約書 会社が労働者に対して会社所有の物を貸与し、労働者が貸与物を紛失したときに、労働者が貸与を受けたこと自体を否定するという場合や、貸与物を誤った使用をすることで破損等をするというリスクがあります。
そこで、貸与したことを証拠として残しておくこと、貸与物の使用にあたっての遵守事項を明確にするために、作成しておくと良い書面になります。






就業中に作成しておくと良い書面 賃金減額に関する意見・同意書 労働条件の不利益変更のなかでも、賃金に関する不利益変更の有効性は特に厳格に判断されます。賃金を減額することについて同意する旨の変更同意書を取得するだけでは、自由な意思に基づく同意でないと判断されるリスクがあります。
そこで、減額前後の賃金の金額を明記することで労働者が減額幅(不利益の内容)を明確に認識した上で減額に同意したということの証拠とするために、作成しておくと良い書面になります。
また、減額の場合だけでなく、賃金と相殺をする場合にも、労働者が相殺することを同意したことの証拠とするために、作成しておくと良い書面になります。
労働契約法第8条
時間外労働・休日出勤許可申請書 会社にとって不必要な時間外・休日・深夜労働を繰り返し、不当に長時間労働に従事したことを主張し、高額の割増賃金を請求されるというリスクがあります。
そこで、不必要な時間外労働等をさせず、許可のない時間外労働等に対する割増賃金の支払いを拒絶することを目的として、事前又は事後に労働者が時間外労働等を行うこと申請するために、作成しておくと良い書面になります。
労働基準法第36条・第37条
有給休暇時季変更通知書 会社が労働者に対して、労働者の申請した年次有給休暇の日時の変更を求める場合、当該変更をするための要件である「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するかどうかが問題となることがあります。
そこで、労働者が申請した日に年次有給休暇を取得することが「会社の事業の正常な運営を妨げる場合」に該当することを明確化し、そのことを労働者に通知するために、作成しておくと良い書面になります。
労働基準法第39条第5項ただし書






懲戒処分に関連して作成しておくと良い書面 労働者指導記録 懲戒処分、解雇や退職勧奨等を行う場合、過去に当該労働者に対して指導を行っていたかどうかは有効性判断の重要な要素となります。
そこで、特定の労働者に対して指導を行ったこと及びその内容を証拠として残しておくために、作成しておくと良い書面になります。
労働契約法第15条・第16条
注意・警告書 懲戒処分、解雇や退職勧奨等を行う場合、過去に当該労働者に対して注意や警告を行っていたかどうかは有効性判断の重要な要素となります。
そこで、懲戒処分にまで至らない行為をした労働者に対して注意・警告を行っていたこと及びその内容を証拠として残しておくために、作成しておくと良い書面になります。
労働契約法第15条・第16条
始末書 懲戒処分、解雇や退職勧奨等を行う場合、過去に当該労働者に対して懲戒処分に至らない行為に対して注意・指導し、反省を促していたかどうかは有効性判断の重要な要素となります。
そこで、懲戒処分にまで至らない行為を行った労働者に対して指導等を行ったこと、労働者自身の反省を促したことを証拠として残しておくために、作成しておくと良い書面になります。
労働契約法第15条・第16条






労働契約終了時に作成・取得しておくと良い書面 解雇予告通知書 労働者を解雇する場合、少なくとも30日前にその予告をしなければならず、これを怠った場合、解雇予告手当の支払義務が生じます。
法令上、書面の作成義務はないものの、解雇の予告(通知)が義務付けられているため、通知義務を履行したことの証拠としておくために、作成しておくと良い書面になります。
労働基準法第20条第1項
契約終了通知書(有期契約) 会社は、3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している労働者との間の有期労働契約を更新しないこととしようとする場合には、当該期間満了日の30日前までに、その予告をしなければならないとされております。
法令上、書面の作成義務はありませんが、更新拒絶の予告(通知)が義務付けられているため、通知義務を履行したことの証拠としておくために、作成しておくと良い書面になります。
労働基準法第14条第2項、有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(厚生労働省告示第357号)第2条
退職合意書 退職後に労働者からの残業代請求や損害賠償請求などをされるリスクがあります。
当該請求を受けるリスクを回避するために、退職時に労使間で何ら債権債務がないことの合意をしたことの証拠とするために、作成しておくと良い書面になります。






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