未払残業代請求において、約900万円の請求を受けたものの、支払うことなく解決ができた事例

相談企業の業種・規模

業種:運送業・サービス業
規模:売上約20億円 従業員数約150名
相談者:経営者

相談経緯・依頼前の状況

クライアント様を退職した元従業員から未払残業代請求があったため、未払残業代について裁判で争うこととなりました。
クライアント様に残業代を支払っていなかった理由を伺ったところ元従業員に対して高額な賃金を支払っており、元従業員は会社において経営に携わる立場であったこと等の理由から残業代は支払っていなかったとのことでした。
今回は元従業員について別件でのご相談を受けている中で未払残業代請求の問題が発生したため、すぐに対応しました。

解決までの流れ

当事務所にて裁判での方針を決めるべくクライアント様から元従業員の立場、賃金額、業務内容、勤務態度等についてヒアリングを行いました。その結果、元従業員は管理監督者に該当する可能性があり、また元従業員は業務時間に私的行為を繰り返していた可能性が高いことが判明しました。
そこで、裁判では元従業員が管理監督者に該当し深夜残業代以外の残業代を支払う必要はないこと、残業時に私的行為を行っていた時間は労働時間に該当しないことを主張しました。また、私的行為の時間については別途こちら側から働いていない時間分の賃金の返還を請求しました。
上記の点に関し主張・立証を尽くした結果、裁判官は、私的行為を行っていた事実はあり、管理監督者に該当しうる可能性があるとの心証を抱いたため両者共にゼロ和解が提案されました。そして、結果的に未払残業代を支払うことなく解決することができました。

解決のポイント

管理監督者該当性が認められるためのポイントは
①経営に関する決定に参画し、労務管理等の指揮監督権限を有していること
②自己の裁量で労働時間を管理することが許容されていること
③管理監督者としての地位や職責にふさわしい賃金等の待遇を得ていることの3点です。

本件については、クライアント様からのヒアリング内容やクライアント様が保有する資料等の証拠から、上記3点のポイントごとに適切な主張立証を尽くした点が解決に大きく影響したといえます。
また、裁判例上、労働者が私的行為を行っていたとしても、私的行為を行っていたことをもって賃金の発生する労働時間性を否定するのは難しい傾向にはあります。しかし、元従業員が業務時間において私的行為を行っていた客観的な証拠等の収集を行い主張立証した結果、私的行為を長時間行っていた決定的なある客観的証拠について元従業員方に認めさせることができました。
このように、会社側が高額な賃金を支払っていたにもかかわらず、元従業員が多くの時間において私的行為を行っていた事実をある程度主張・立証できたことも本件の解決に大きく影響したポイントであるといえます。
当事務所では裁判例上認められにくい難しい主張であっても、クライアント様にとって主張すべきメリットがあると考える場合には、粘り強く主張立証をいたします。また、主張立証を行う上で欠かせないクライアント様からのヒアリング、証拠収集も時間をかけて丁寧に対応することを心がけております。
その結果、本件ではクライアント様にとってメリットのある解決をすることができました。

解決するまでに要した期間

約1年

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