能力不足による解雇を行った際に、不当解雇である等として800万円を請求されたものの、100万円以内で和解解決できた事例

相談企業の業種・規模

業種:メーカー
規模:20億円規模 15名
相談者:経営者

相談経緯・依頼前の状況

能力不足を理由として従業員を解雇した際に、解雇無効を理由とする従業員の地位確認と残業代請求、さらには付加金(罰金)を請求する内容証明が届いたとのことで、ご相談いただきました。

解決までの流れ

まずは相手方の内容証明に対して書面での反論を行いつつ、和解も視野に入れた交渉を行いました。
しかし、任意交渉の段階では和解の目途はたたなかったため、相手方が労働審判を申立てました。相談企業は顧問先だったので、日頃から従業員の能力不足を指摘する内容や指摘内容の残し方、会社側が能力不足解消のために講ずべき措置についてアドバイスをしていたことから、従業員の能力不足及びこれを解消すべく会社が措置を講じていたことに関する証拠を集めることができました。
相手方は、一貫して能力不足による解雇は無効だと主張していましたが、当職らの証拠を踏まえ、裁判官が解雇を無効と考えるのは難しい旨の心証を開示したことにより、最終的には、争うことが困難であった残業代請求部分をベースとして100万円以内で和解することができました。

解決のポイント

能力不足による解雇の主張を通すための証拠固めが大きなポイントになりました。
顧問先であったため、予め必要なアドバイスをさせていただくことができ、こちらが有利になる証拠を集めることができました。
顧問として日頃からアドバイスをさせていただくことで、能力不足を理由とする解雇など、通常認められにくい解雇類型であっても、有効に行うことができるような準備を整えることができます。

解決するまでに要した期間

約1年間

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櫻井 康憲 弁護士法人フォーカスクライド パートナー弁護士執筆者:櫻井 康憲

弁護士法人フォーカスクライド パートナー弁護士。
2016年に弁護士登録以降、上場直前期の企業のサポートに注力し、複数の企業の上場案件に関与した実績を有する。早期から弁護士との適切なコミュニケーションを行うことを通じて、必要最小限のコストで最大限の効果を発揮する予防法務の提供を実現するため、現在はスタートアップや上場準備会社を中心にコストを抑えてスタートできる顧問サービスの提供を行っている。

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