不動産業の経営者が弁護士を選ぶポイント

Real Estate Management

1. 不動産事業における弁護士との連携の重要性

不動産は非常に高価な財産であり、それゆえに不動産については、民法にとどまらず、借地借家法をはじめとした多くの法律による規制があります。また、高価であるがゆえに、法的なリスクが顕在化した場合、生じうる損害も多額になりがちです。経営者の皆様においても、これまで自ら紛争の解決に取り組まれてきたものと思われますが、そのリスクの大きさを考えれば、紛争が生じる前のリスクヘッジや、紛争の初動から、できる限り弁護士と連携していくことがおすすめです。自ら対応される場合であっても、「法律的に紐解けば、どのような部分にリスクがあるのか」、「どこまでの対応が法律的には許されているのか」を把握したうえであれば、より適切な方針を組み立てられますし、踏み込んだ対応もできます。また、リスクヘッジを考える場面でも、これまでのトラブルやその対応実績を弁護士の知見と併せることで、リスクを最小限に抑えたうえで有用な不動産の活用ができます。

ここでは、不動産に関する問題について、どのような観点から相談すべき弁護士を選ぶべきかについて、ご案内します。

2. 不動産業、ビジネスモデルへの理解

不動産を巡る事業としては、売買、賃貸、管理といった大まかな分野はもちろんですが、そのなかでも、その事業が個人向けなのか商業向けなのか、宿泊事業に関するものなのかといった細かい分野分けによっても適用される法律が異なります。

また、ビジネスモデルとしても、マンスリー事業、サブリースや、共同オーナーといったニーズに応じた様々なビジネスモデルがあります。このようなビジネスモデルによって、経営者の皆様が抱えるリスクや優先したい事項も様々です。

そのため、いち早くその事業の内容、ビジネスモデルを理解し、これに沿った迅速かつ最善の提案が可能かという点が重要となります。一律に不動産が専門といっても、上記のように不動産事業には様々なものがあるのですから、ご自身が扱われている事業の内容、モデルに沿って確認されることをお勧めいたします。

3. 不動産事業における高度の専門性

不動産を取り巻く法律はただでさえ多くのものがあり、これらを適切に把握していることはもちろんですが、それだけでは不動産事業に明るい弁護士とはいえません。

不動産は、個人にとっては一生の買い物となることも多く、生活の基盤でもあるため、思い入れもあるでしょうし、事業者にとってはその事業の基盤となるものです。そのため不動産を取り巻く人間の思いが法律とは別に渦巻いていることが多く、関係者の思いを通り一辺倒に法律で断ち切り、解決することはできません。また、そもそも法律に違反した建築物や、契約解釈の問題など、これらを抜きにしても法律を超えた実務的な対応を求められる場面も多く見受けられます。地域ごとに商慣習が異なることもあるでしょう。

そのため、事案に応じた適切なリスクヘッジと交渉力が要求されます。

このように、不動産業の現場では、法律的な観点からの検討に加え、法律では一律の解決をしえない多様なトラブルが生じているため、そのトラブル解決における実績が豊富にあってこそ専門性があるといえるでしょう。

4. 他業種との連携実績

不動産を取り巻く紛争においては、他業種との連携も重要となります。権利を公示するための登記手続であれば司法書士、税務上のリスクを検討するのであれば税理士、不動産の価値についての紛争であれば不動産鑑定士等、他業種専門家と弁護士とが入念に打合せ、一体的な解決を目指さなければ、真の意味で最善の解決を得られないこともあります。

そのため、案件ごとに迅速に他業種専門家と密な連携を取ることができるか、その実績があるかといった観点も、不動産事業に関する相談においては重要となります。

5. 成長戦略にあわせた幅広い相談

不動産事業は、その取扱う内容にもよりますが、競争も激しく、新市場の獲得、新たなビジネスモデルへの挑戦を考えておられる経営者の方もおられることでしょう。

そのため、新規ビジネスモデルの構築、M&A等についても気軽に相談できるかどうかという観点も重要です。
そういった挑戦もお考えの経営者の方は、相談する弁護士が、不動産事業だけではなく、事業のスタートアップやM&Aにも明るいか、確認されてみることをお勧めします。

6. さいごに

当事務所では不動産を取り扱う様々な業種の企業様と顧問契約を締結し、そのトラブルに連携してあたることも多く、不動産に関する実績は多岐のビジネスモデルに渡って豊富で、実践的なご提案・ご助力をさせていただけます。

また、司法書士・税理士・不動産業者等の他業種専門家との連携実績も豊富であるため、当事務所が窓口となって迅速な対応が可能です。特に、当事務所はこれらの他業種専門家に加え、経営イノベーターとも連携して多くの企業のスタートアップ、M&Aを企画してきた実績もあります。

賃貸不動産に関するトラブルでお困りの方や、これからのリスクヘッジを共に進める弁護士をお探しの方は、お気軽にご相談ください。

執筆者:弁護士法人フォーカスクライド

 中小企業の企業法務を中心とした真のリーガルサービスを提供するべく、2016年7月1日に代表弁護士により設立。
「何かあった時だけの弁護士」(守りだけの弁護士)ではなく、「経営パートナーとしての弁護士」(攻めの弁護士)として、予防法務のみならず、戦略法務に注力している。
また、当法人の名称に冠した「フォーカスクライド」とは、「クライアント・デマンド(クライアントの本音や真のニーズ)に常にフォーカスする(焦点を合わせる)。」という意味であり、弁護士が常にクライアントの目線で考え、行動し、クライアントの本音やニーズに焦点を合わせ続けることを意識して、真のリーガルサービスを提供している。
なお、現在では、資産税に特化した税理士法人フォーカスクライドと、M&A及び人事コンサルティングに特化した株式会社FCDアドバイザリーとともに、グループ経営を行っている。

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