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1. 会社からの指示があるにもかかわらず、コロナ感染予防等を理由にテレワークを要求し、出社義務を果たさない
2. 勤務態度が悪く、遅刻や欠勤を繰り返している
3. メンタルヘルス不調やうつ病などの精神疾患が原因で連絡が取れない
1. 既存社員へのハレーションによる現場士気の低下
無断欠勤や遅刻を繰り返す社員を放置することで、真面目に働いている社員のモチベーションが下がり、企業の生産性を落とすことに繋がります。
2. 社員間でのモラルハザード
無断欠勤や遅刻が許されている状況が常態化することで、その様な勤務姿勢がその他の社員に伝播し、新たな問題社員(モンスター社員)を生み出す恐れがあります。
1. 上司からの指示に対して反発を繰り返している
2. 業務と関係のない動画サイトの閲覧や、私物のスマートフォンを頻繁に操作している
3. 業務時間中に報告なく長時間の離席や外出をしている
1. 他社員への負担の増加や退職
業務命令に従わない又は業務怠慢の社員を放置すると、上司やチームのメンバーに負担がかかり、他の社員がメンタルヘルス不調を患う可能性があります。職場環境の悪化が原因となり、新たな問題社員(モンスター社員)の発生や優秀なメンバーの退職に繋がるリスクがあります。
1. パワハラを行う問題社員(モンスター社員)
(ア)部下に対しての周囲の目がある中、相当長時間の叱責を行っている
(イ)他の社員に対して暴力を振るっている
(ウ)特定の社員に対して無視や隔離を行っている
2. セクハラを行う問題社員(モンスター社員)
(ア)性的な言動を繰り返し、職場の風紀を乱している
(イ)不必要に他の肩や髪を触る
(ウ)執拗に食事の誘いや連絡先の交換を迫る
1. 被害を受けた社員のメンタルヘルス不調
前述した問題社員(モンスター社員)の影響と同様に、職場環境の悪化による生産性低下の恐れがあります。またメンバーのメンタルヘルス不調や退職に繋がるリスクがあります。
2. 被害者からの損害賠償請求
ハラスメントを受けていた被害者側の社員から、使用者責任や安全配慮義務違反としての債務不履行責任を追及され、損害賠償請求をされる可能性があります。
1. 事務的なミスを何度も繰り返している
2. 関係先への対応が不適切なためクレームが相次いでいる
3. 他の社員と比べて勤務成績が著しく低い
1. 他社員への負担の増加や退職、ひいては企業の生産性の低下
前述した問題社員(モンスター社員)の影響と同様に、上司やチームのメンバーに負担がかかり、また職場環境の悪化が原因となり、新たな問題社員(モンスター社員)の発生や優秀なメンバーの退職に繋がるリスクがあります。そして、このような事態が企業の生産性の低下に直結することになります。
2. 仕事を与えないことがパワハラに該当することも
能力不足(ローパフォーマー)社員については一概に本人だけの責任とは言い切れず、会社としても適切な指導・教育を行う必要があります。しかし、能力不足(ローパフォーマー)社員を放置し、意図的に仕事を与えなかった場合、パワーハラスメントに該当するとして訴えを起こされる危険性があります。
1. 会社の経費を着服(詐欺・横領等)している
2. 外注先から個人的なキックバックや謝礼を得ている
3. 会社の備品を私的に使用している
1. 再発リスク・波及効果リスクの増加
経費の着服等(詐欺・横領等)を行う社員に対しては、毅然として、厳正な処分をすることが重要です。これらの問題社員を放置したり、人間関係を考慮して甘い処分をしてしまうと、他の社員から「罪を犯してもこの程度で済むのか」と思われ、当該社員による再発リスクのみならず、他の社員による不正行為のリスクも高まる傾向にあります(波及効果リスク)。
2. 企業の有形・無形の損害・損失が増大
このような問題社員を放置すれば、当然ながら、無用な財産流出等が継続するため、企業の損害・損失が増大します。
また、損害・損失が拡大したとしても、資力の乏しい一従業員に対して損害賠償請求をしても、全ての損害・損失が補填されることは稀です(勝訴判決を得るということと、実際に金銭回収できるということは全く別問題です。)。
そのため、このような問題社員に責任を取らせるためには、刑事告訴まで持ち込む必要がありますが、刑事事件として立件してもらうためには、相当固い証拠を収集しなければならず、そのためにさらなる調査費用等の有形損害・損失に加え、時間・労力等の無形の損害・損失が増大することが多いです。
社員の問題行動については発覚した時点で即座に指導・教育を行うことが重要です。放置することで、前述したような様々なリスクを高めることに繋がります。ただし、指導をする際には感情的にならず、パワハラにならないよう言い方に配慮をしたうえで、端的に問題点を伝えるようにしましょう。
その上で、社員自身に問題点を認めさせ、具体的改善方法を誓約してもらい、その履行状況を確認し、また面談するという過程を繰り返すことが重要です。
なお、口頭で指導・教育を行うケースが多いですが、後々のトラブルを防止するためにも、「どのような指導をしたのか」「どのような改善を誓約したのか」「その結果、きちんと履行されたのか」等、当該過程をきちんと記録に残しておくことも重要です。
問題社員(モンスター社員)や関係者には定期的な面談・ヒアリングを実施しましょう。日頃から面談を行い従業員と良好な関係性を築いておくことで、問題行動があった際にも、軽度な指導により問題社員(モンスター社員)化を防ぐことができます。
なお、面談の際には相手が録音をしている場合もあるため、言動には細心の注意を心掛けましょう。対象の社員に対してどんなに腹が立っても常に冷静な対応をする必要があります。
従業員が本来の力が発揮できていない場合には、社内での配置転換を検討しましょう。上司との人間関係に問題があり指示に従わない社員や、現在の部署でパフォーマンスを発揮できていない社員に対しては、他部署への異動の機会を与えて様子をみることも有効な手段の1つとなることがあります。
ただし、社員を退職へ追い込むこと等の不当な目的による配置転換や、配転間の必要性と比較して社員への不利益の程度の不相当に大きい配置転換等は、裁判例においても無効と判断されているケースが多いため注意が必要です。
ハラスメントや悪質な非違行為の場合には、指導や配置転換だけでなく、懲戒処分を課すことも検討することになります。
懲戒処分には、「懲戒解雇」以外にも、戒告、譴責、減給、出勤停止、降格などがあり、問題行動の内容や段階に応じて適切な懲戒処分を選択することになります。
問題社員(モンスター社員)についてのトラブルは、弁護士への相談のタイミングが早ければ早いほど、実施できる対策の選択肢が広がり、紛争化させない又は紛争を長期化させないことで企業の有形・無形の損害・損失を極力小さくできる可能性が高まります。
そのためには、日頃からの社内でのコミュニケーションを活発にし、気になることがあった場合にはできるだけ早く弁護士に相談しましょう。
問題社員(モンスター社員)を解雇した場合、解雇された従業員から、解雇は不当であるとして、雇用契約上の地位の確認、未払賃金(いわゆる「バックペイ」)の請求及び損害賠償請求をされるケースがあります。
そして、この解雇の有効性が認められるためには、労働法上、使用者にとって、高いハードルがあります。
解雇が無効と判断された場合、まずは、雇用契約関係が現在も存続していること、つまり従業員としての地位が認められることになりますので、解雇前の労働条件で雇い続けなければなりません。一度解雇した従業員が、職場に復帰するという事態になります。そのため、当然、日々の賃金も発生します。
解雇が無効と判断された場合、従業員は雇用契約上の義務である労務提供を履行することができたにもかかわらず、使用者側の責めに帰すべき事由(無効な解雇)により、労務提供が拒否されたという構造になります。
そのため、解雇してから、解雇無効の判決が確定するまでの間、実際には当該従業員は働いていなくても、その間の賃金が遡って発生することになります(遡って発生することから「バックペイ」と呼ばれています)。
そして、解雇の有効性が争われる裁判は、1~2年かかることも良くありますので、過去働いていない従業員に対して、1~2年分の賃金を遡って払わなければならないことになります(前述の①の職場復帰後に発生する日々の賃金とは別に)。
そのため、当該従業員の解雇直前の年収が高ければ高いほど、このバックペイの金額は高くなり、会社の損失は甚大なものとなります(例えば、年収800万円の従業員との間で、解雇の有効性を裁判で2年間争った結果、解雇無効の判断が確定したとすれば、約1600万円のバックペイが発生することになります。)。
さらに、無効な解雇をされたことにより被った精神的苦痛その他の損害を賠償しなければなりません。
退職勧奨に臨む前に、対象となる従業員を説得するだけの客観的事実及び客観的証拠を整理しておくことがまず重要です。
その上で、どのように退職勧奨を進めるかについてはケースバイケースですが、必要に応じて証拠を提示しつつ、事実確認を丁寧に行い、記録を残すことが必要な事案が多いです。
なお、その場では退職の合意が得られない場合や、攻撃的な反論をしてくる場合も多々ありますが、感情的にならず冷静に対応することが大切です。
退職勧奨の方法を誤ると、違法な退職勧奨として判断されるケースがあります。退職勧奨の際には、例えば、以下のような対応にならないよう注意しましょう
(ア)退職勧奨に応じない意向が表明されているにもかかわらず、退職勧奨の面談を何度も繰り返す。
(イ)1回の面談時間が長時間になる。
(ウ)対象社員を不必要に大人数で囲み、無言の圧力をかける。
(エ)退職勧奨に応じなかった場合の不利益をちらつかせる。
会社側の提示する条件によっては、対象社員が退職勧奨に応じる場合があります。そのため、退職に応じた場合のインセティブとして、退職金や解決金を支払うことも検討することがあります。
退職勧奨を社内だけで行うケースもありますが、退職勧奨を行う際には綿密な計画を立てて、適切な手法を用いて対応する必要があります。
解雇を避けて退職勧奨を行っても、一歩間違えれば、退職に合意した後から違法な退職勧奨であったと判断され、結局多額の解決金を支払う場合があります。退職勧奨を失敗しない為にも、労務問題に強い弁護士に早めに相談することを強くお勧めいたします。
当事務所の解決事例はこちらからご覧ください。
現状の就業規則その他の諸規程の法的なリスクをチェックし、問題社員に適切に対応することができる規程、及び、訴訟に耐え得る規程へと見直すことで、将来の紛争の発生又は紛争の長期化を予防します。
問題社員(モンスター社員)又は関係者に対して弁護士がヒアリングを行うことで、適切な事実確認及びその証拠化を行うことができます。
さらに、様々な問題社員対応を行ってきた経験がありますので、対象社員の特性に応じた柔軟なヒアリングや適切な証拠収集を実施することができ、後に発生し得る法的紛争を有利に進めるための準備を早い段階から整えることができます。
弁護士が問題社員(モンスター社員)に対する適切な注意指導の助言又は代行を行い、問題社員対応の早期解決を目指すことができます。
また適切な注意指導及びその証拠化を行うことで、後に発生し得る裁判での敗訴リスクを最少化することができます。
弁護士が問題社員(モンスター社員)に対する適切な退職勧奨の助言又は代行を行います。
より安全に、より早期に対象社員から退職合意を取り付けることができます。
当事務所では、日々クライアントの企業様から問題社員(モンスター社員)に関するご相談をお受けしますが、問題社員対応は問題が小さいうちに迅速に対応することが重要ですので、迅速かつ適切なアドバイスを重視しています。
使用者側の気づきが早く、早めにご相談いただければ、問題が小さいうちに採り得る手段の選択肢も多く残されていることが多いです。
当事務所には、特に使用者側を中心とする労務問題に精通した弁護士が多数所属しておりますので、「おかしいな」「問題になりそうだな」と思ったら、早めにお気軽にご相談ください。
執筆者:新留 治
弁護士法人フォーカスクライド アソシエイト弁護士。2016年に弁護士登録以降、個人案件から上場企業間のM&A、法人破産等の法人案件まで幅広い案件に携わっている。特に、人事労務分野において、突発的な残業代請求、不当解雇によるバックペイ請求、労基署調査などの対応はもちろん、問題従業員対応、社内規程整備といった日常的な相談対応により、いかに紛争を事前に予防することに注力し、クライアントファーストのリーガルサービスの提供を行っている。
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