経営権問題における弁護士の選び方

Right of Management Issues

経営権問題は、別の記事でもご説明したように、会社経営の命運を左右する極めて重要な問題であり、かつ、複雑な問題です。経営判断としての適切さ、会社法や税務に関する知識、交渉戦術など、考慮すべきリスクやポイントは多岐にわたりますので、適切な弁護士に依頼しなければ、望ましい結果は得られません。そこで、以下では、経営権問題における弁護士選びのポイントをご紹介します。

1 経営への理解

経営権に関する問題が予想され、または発生している場合において、対応を検討するためには、経営への理解が不可欠です。経営者ご自身の経営にかける思いをくみ取り、これを実現するために最も適した株主構成や、他の株主・役員との関係性のあり方を考える上で、経営への理解が欠けていては、本末転倒の結論にもなりかねません。現に、拙速な株主対応やスキームありきの制度導入によって、株主との関係が悪化した例や、コストばかり増加してしまった例は少なくありません。

経営への理解と経営者への共感が伴ってこそ、経営権問題への最適な対応が可能であると考えております。

2 高度な専門性

例えば、少数株主を締め出すために利用されるスクイーズアウトの手法は、法律の条文や教科書を読めば理解をすることはできます。しかし、相手にするのは他の株主や役員といった生身の人間であり、彼ら/彼女らがどう感じ、どう行動するのかを予測しなければなりません。この予測ができなければ、最も効率よく、最低限のコストで目的を達成することはできないのです。そして、予測のためには経験が必要であり、経営権問題について多様な経験を有する弁護士に依頼することが解決への近道と言えます。

また、生身の人間を相手にする以上、机上で株主総会議事録などを整えればよいわけではなく、会社や経営者、株主らを巻き込んだ複雑なオペレーションを着実に進めていく必要があります。このプロセスに抜け漏れがあっては、完璧なスキームも絵に描いた餅となってしまいます。抜け漏れなく、迅速にプロセスを完遂する上でも、豊富な経験と慎重さ、そして対応へのコミットメントが求められるのです。

3 法務だけにとどまらないワンストップサービス

経営権問題の解決に際して必要な知見は、法務に限りません。特に重要になるのが、税務面の知見です。

例えば、分散した株式の集約の場面で、少数株主から株式の譲渡を受けられることになった場合、買い手である経営者においては、できるだけ低額で譲り受けたいと希望するのが一般的です。しかし、時価と比較して著しく低額で譲り受けてしまうと、みなし贈与課税など税務上の問題が発生するため、譲渡価格の設定時には税務面の検討が不可欠となります。

また、同じく分散した株式の集約の場面で、少数株主から経営者が株式を買い取った価格が、少数株主がその株式を取得した際に支払った価格(取得価格)よりも高い場合、少数株主側で譲渡所得課税が発生する可能性があります。少数株主からすれば、自身が満足できる価格で譲渡したと思っていたのに、不意打ちのように課税を受けた結果、円満かと思われた株式譲渡がトラブルに発展してしまう可能性もあります。

さらには、取締役間での紛争の結果、非オーナー取締役が退任するケースにおいて、当該取締役が株式を保有しており、その買取りもセットで実施する場合があります。この場合、役員退職金と株式譲渡価格の設定方法如何によっては、税引き後に当該取締役の手元に残る金額には大きな差が生まれます。

このように、経営権問題の解決にあたって税務の知見は不可欠であり、税務の知見を有する弁護士か、税務上の助言を一体的に提供できる組織への依頼を検討すべきと言えます。

4 当事務所でできること

当事務所は、企業のお客様の成長戦略を実現するために、数百人の経営者の皆様に対して、経営への理解に根差した法律サービスを提供してきました。その過程で、多数の経営権問題に関与し、多様な経験を積んでまいりました。

また、2020年12月にはフォーカスクライドグループの一員として税理士法人フォーカスクライドを設立し、株式譲渡や組織再編などの資産税分野に精通した税理士を擁し、ご依頼いただいた案件についてリアルタイムで、税務上の助言を得る体制を構築しております。

これらの経験と組織力をもって、お客様の経営権問題に最適な法律サービスを提供させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。

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